築37年の中古住宅をリノベーション。10年たっても雨漏りを無料で修理できた理由とは

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暮らしのジャーナリスト・ファイナンシャルプランナーの高橋洋子です。2010年に築37年の印刷会社兼住居を購入して、リノベーションしました。それから早くも10年が経ち、昨年は雨漏りする事態が発生したのですが、リフォーム会社のアフターサービスのお金をかけずに、修理することができ、いまも快適に暮らしています。今回は私の経験をもとにリフォーム・リノベーションに役立つお話をご紹介します。

中古住宅をリノベーションすれば、新築する7割の費用で理想の家をゲット!

国土交通省の調査によると、新築の注文住宅の平均金額は4334万円。中古一戸建ては2857万円。リフォーム費用の平均は231万円。中古一戸建てを購入して、リフォームするほうが新築を買う7割の費用に抑えることができます。建て替えする場合では、建て替え費用の平均は3128万円と費用がかかるのがネックになります。リフォームやリノベーションで使い続けることができないか、ぜひ前向きに検討したいものです。

築37年の印刷会社兼住居をリノベーションした住まい。耐震補強を施し、最新の住宅設備を導入し、快適に暮らしている。

<参考データ>
新築注文住宅 全国平均       4334万円
中古一戸建て 全国平均       2857万円 リフォーム平均231万円
建て替え   全国平均      3128万円
(平成29年度 住宅市場動向調査 国交省)

屋根が吹き飛び、雨漏りでカビだらけの廃屋を新築同然にリノベーション

改めてリフォームとリノベーションの違いについて解説すると、リフォームとは英語で「REFORM」と書くように、形を元通りに直す工事を指します。水回りが壊れて使えなくなっていたら、新しいものに取りかえる、修理をする。このような工事がリフォームです。

一方、「リノベーション」とは、英語に訳すと「刷新」「革新」との意味で、元の状態から大幅に形を変える大規模改修工事を指します。たとえば、日当たりの悪い1階のキッチンを2階に移し、3LDKを1LDKの間取りに変更して、リビングを広くすることもできます。

私は初めてのマイホームに中古住宅を買って、リノベーションして暮らしています。購入したのは1年半空き家になっていた廃屋。屋根は抜けおち、床は雨水で水浸しになっていました。リノベーションでは、地震に強い家になるように耐震補強を行い、最新の住宅設備を導入して、理想の住まいに一新しました。

リノベーションする前の外観。立地が気に入って購入を決めた。

わが家のリノベーションは“パッケージプラン”。費用は追加料金の有無を要チェック

リフォームの場合は部分工事で安くすみますが、間取りを変更するような大規模工事ができません。リノベーションは間取りを大幅に変更できる一方、その分、お金がかかります。さらにリノベーションで注意したいことは、壊してみて、工事をしてみて、初めてわかることがあるということです。

わが家を例に挙げると、浴室周りが予想以上に木の腐食が進んでいて、当初の予定以上に工事の手間がかかりました。ここでポイントになるのが料金設定です。

わが家がリノベーションを依頼した会社の料金設定は、坪数×工事費のパッケージプランでした。これは、その坪数内であれば、どれだけ作業が追加で発生しても、追加料金を課さないというもの。そのため、浴室周りの工事も見積もりどおりの費用で済みました。

私が取材した中で、「600万円の見積もりが、追加工事の料金が加算されて900万円請求された」というケースもあります。事追加工事料金も含んだ見積もりなのか、それとも、追加工事が必要なら、その分、請求される設定なのか、事前によく確認することが大切です。

屋根が吹き飛び、室内は雨漏りをして、水浸し。カビが生えている部分もあった。こんな状態も、新築同然に生まれ変わる。

リフォーム会社のアフターサービスも要チェック!24時間365日電話対応可の会社もあり

続いてチェックしたいポイントは、リフォーム会社のアフターサービスです。私がリノベーションを依頼した会社は、24時間365日電話がつながるお客様センターがありました。昨今では、予期せぬ自然災害で、雨漏りをしたり、窓ガラスが割れたり、家が被害にあうケースが増えています。リフォームの不具合はもちろん、自然災害にあったときにも、電話1つで、家の修理の相談ができるのは心強いですね。また、リフォームの場合、保証はどうなっているのかも、忘れずにチェックしたいポイントです。

わが家が依頼した会社のアフターサービスでは、1ケ月後、3ケ月後、12ケ月後に、定期点検がありました。その際に、不具合があれば対応してもらえるのです。住んで半年後に、東日本大震災がありました。耐震補強をしていたので家は無事でしたが、壁紙がよれた部分があったので、補修をしてもらいました。

また、長期の修理サービスもあるので、昨年の雨漏りも費用負担なしで修理をしてもらえました。雨漏りは、どこから雨が漏れているのかがわからず、天井に点検口をあけて雨漏り箇所を探しました。かなり手間がかかり、リノベーションした会社のアフターサービスがなければ、いくらかかっていたか、わかりません。

こうした経験から、リノベーションの工事だけでなく、その後に何か不具合があったときのことも考えて、リフォーム会社を選ぶべきだと再認識しました。

複数の会社から見積もりを取って、じっくりと比較検討

リフォーム会社を選ぶにあたって、自分がやろうと思っているリフォームに、いったいいくらかかるのか、どんな会社に依頼するといいのかを検討するには、まず見積もりを取ってみることです。気になる会社が見つかったら、どんな実績があるのか、施工実績を調べてみることです。たとえば、戸建のリノベーションをしようと思っているのならば、戸建の実績が多いところに依頼したほうが安心です。戸建の場合、マンションと違って、耐震補強も含めてリノベーションすべきあり、そのような経験があるところに依頼すべきだからです。

実際にリフォームや、リノベーションをしようと決めたのなら、第三者の意見をなるべくたくさん聞くことです。違う人が見れば費用の面では削れるところがいろいろあります。じっくり時間をかけて満足できる家にしてください。リフォームやリノベーションでご家族が喜ぶ住まいに生まれ変わるのには、言葉では言い尽くせないほどの感動があります。ぜひこの感動をみなさんも味わってみてください。

プロフィール

高橋 洋子
暮らしのジャーナリスト、ファイナンシャルプランナー。
情報誌などの編集を経て、築37年、価値0円と査定された空き家をリノベーションし、安く理想の住まいを手に入れた経験から、お得で快適な暮らしの研究に目覚める。
住宅、暮らし、マネー関連の執筆・講演活動を行い、フジテレビ『報道2001』『ノンストップ!』などの報道番組に出演。
著書は『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)『3万円からの民泊投資術』(WAVE出版)『最新保険業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム)。
ホームページ:https://yo-coo.wixsite.com/home

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