整理収納アドバイザーが考えるセルフリノベのコツ。自宅のDIYを一挙紹介!

整理収納アドバイザーのミニマリスト主婦ていないです。夫婦で賃貸マンションのセルフリノベーションを楽しんでいます。休みの日に部屋を少しずつカスタムして、作業の楽しさや部屋のインテリアが自分たち好みに変化していく達成感、幸せを感じています。今回は、セルフリノベーションに整理収納アドバイザーとしての視点を加え、「モノと収納スペースのバランスを整えて、暮らしやすさがアップ」するコツやわが家のセルフリノベーション事例についてお話します。

セルフリノベーションとは?

「セルフリノベーション」とは、自分自身(DIY:Do It Yourself)で住居を改修することです。「セルフリノベ」と略したり、「セルフリフォーム」と表現したりすることもあります。

おしゃれな部屋には憧れるけど、わが家は古いから無理」とか、「使いにくいキッチンだけど、賃貸だから仕方ない」とあきらめず、セルフリノベーションで古い家に手を加えたり、インテリアをおしゃれにつくり変えたりできます。ほんのちょっとのDIYで、生活がぐっと楽しくなり、わが家をもっと好きになれるかもしれません。

整理収納アドバイザーが教えるセルフリノベーションのコツ

部屋を整理しながらセルフリノベーションするコツは、自分の持ち物の量と収納のバランスを考えた上で、きちんと計画たててから取り掛かることです。2つのバランスを考えずにセルフリノベーションで新たな収納場所を作たり、オープン収納を取り入れたりすると、無駄なものが増えたり、もともとの所有物が収納しきれなくなったりするからです。

整理収納アドバイザーとしては、暮らしやすい家、整った部屋作りのため、収納スペースに対して持ち物は8割に抑えることをおすすめしています。

収納スペースと持ち物のバランスを保つために気を付けたいこと

必要のないスキマ家具をDIYしない

部屋の空きスペースにぴったりサイズの収納棚を作ったことで、ついつい荷物が増えてしまうことはよくあります。そして、収納が増えたことで、どこに何を置いたか把握しにくくなるという問題も起きます。

収納スペースは多いほうがいい気がしますが、人は収納スペースに合わせて荷物を増やしてしまうので、収納スペースが増えると、今までなら処分していたモノも残してしまうようになります。不要なものを増やさないために、何を収納するために新たに収納スペースを増やすのか、きちんと考えるようにしましょう。

荷物が増えたからと収納をどんどん増やさない

さきほどと逆のパターンが、荷物が増えた分だけ、壁にオープン棚を増やしてしまうなどのセルフリノベーションです。

オープン棚はブラケット(L字金具)と切り出した木材だけで簡単に作れてしまうので、セルフリノベーションに慣れてくると、うっかり増えてしまいます。

しかし、まず考えてほしいことは、増えた荷物が本当に必要なものなのかということです。しっかりと増えた荷物と向き合って、本当に必要だと判断してから収納を増設してください。無駄に収納スペースが増えると、生活スペースが減ってしまうので、荷物と収納のバランスに注意をくばりながらセルフリノベーションをしていく必要があります。

オープン収納の落とし穴に注意

おしゃれに思えるオープン収納は、安易に導入すると、家がかえって散らかってしまったり、部屋の見た目が悪くなったりしてしまうので注意が必要です。

たとえば、押入れをオープンスペースとして利用したら今まで入れていた荷物が入りきらなくなった、クローゼットの扉を取り外したら中身が丸見えで部屋が雑然として見えてしまった、というケースがあります。

セルフリノベーションする際の注意点

自分自身でわが家を理想の住まいに近づけられるセルフリノベーションですが、いくつか注意すべき点があります。それを踏まえた上で、やるかやらないかを決めるようにしましょう。

自分は素人だと自覚する

セルフリノベーションする前は、誰しもきっと脳内で「こんな部屋に仕上げたい」というイメージをしていると思います。ただ、はっきり言うと、脳内イメージと同じクオリティには仕上がりません!

どんなに丁寧に施工してもプロにはかなわないと理解した上で、セルフリノベーションに取り組みましょう。作る過程を楽しみ、失敗した部分をチャームポイントと思えるような大らかさが必要です。

必要に応じてプロの手を借りること

家をリノベーションする際に「この部分、失敗したら取り返しがつかないな……」という場面が必ず出てきます。たとえば、基礎部分に手を加えたり、壁を抜いたりという大掛かりなリノベーションです。

最初にプロを呼んでどこまで自分たちでできるのか相談し、必要があればプロの手を借りましょう。わが家では夫婦でセルフリノベーションを楽しんでいますが、大家さんに紹介してもらった大工さん(工務店)に相談に乗ってもらっています。

賃貸住宅の場合は原状回復義務に注意が必要

賃貸住宅では通常、退去時に「原状回復義務」があります。これは賃貸契約が終了したとき、使用した設備を入居した時と同じ状態にして貸主に返却する義務です。原則として、貸借人の賃貸のリフォームやリノベーションなどは認められていないので 、「壁が汚いからペンキで塗る」「ふすまがボロボロだから壁紙を貼る」など、良かれと思って貸主の許可なく手を加えると、退去時に莫大な原状回復費用が請求される可能性もあります。大がかりなセルフリノベーションをする際は必ず管理会社や大家さんと相談の上とりかかってください。

賃貸住宅をセルフリノベーションしているわが家は、原状回復できないような大掛かりなDIYも行っています。例えば、洗濯パンを撤去して洗濯スペースを移動させる、お風呂場のユニットバスを撤去してシャワールームに変更するなどの水回りの設備変更です。そのほかには、作りつけの洋服ダンスの撤去や建具の処分、押し入れや柱などのペンキの塗装も行っています。

これは家主さんとの話し合いを経て、「退去時に原状回復義務なし」という約束をしてからセルフリノベーションをしています。

わが家のセルフリノベーション事例を一挙公開!

わが家のセルフリノベーションでは、大掛かりな工事から、ちょっとした家具の製作にいたるまで、自分たちの暮らしやすさを考えながら、自分たちで手を加えています。

畳の上にクッションフロアを敷いて和室を洋室に

暮らしている部屋が和室なのが気に入らないという人は多いのではないでしょうか? わが家は畳の上にクションフロアを敷いて、和室をなんちゃって洋室にセルフリノベーションしました。最初は畳を撤去してフローリングもしくはクッションフロアへの張り替えをしようと思ったのですが、家主さんから許可がおりなかったため、畳の上にクッションフロアを敷いています。

インターネットで調べたところ、畳の上にクッションフロアを直接敷くと湿気やカビの原因になるということで、あいだに防湿シートを挟んでいます。クッションフロアは180センチ幅のものが1メートル1000円から、防湿シートもAmazonで1メートル650円からと比較的手ごろな価格で販売されていたので、6畳間を1万円ちょっとで洋室に変身させることができました。

ボロボロの長押や廻り縁をペンキで補修

私たちが暮らしているマンションは築50年以上。管理が行き届いてなく、前の住人が壁に穴を開けるタイプの人だったのか、入居時から長押(なげし)に100個以上穴が空いている状態でした。セルフリノベーションでは、大きな穴に爪楊枝を詰め、コーキング材で埋めて補修。そして、小さな穴は上からペンキを塗って隠しました。

柱や長押、廻り縁などの建具に白いペンキを塗ることで、クッションフロアで洋室風変えた部屋になじみました。

押入れをデスクスペースに変更

私は整理収納アドバイザーであり、そもそも荷物が少ないミニマリストのため、押入れスペースが余っていました。そこで、思い切ってテーブルを処分し、押入れをデスクとして使用することにしました。

まず押入れに白いペンキを塗り、シミだらけだった材木を綺麗にお化粧。そして、壁にブラケット(L字金具)をつけて、オープン棚を取り付けました。左右に電球をつけて、影ができにくく書き仕事やパソコン作業をしても目が疲れにくい環境を整備しました。

時代タンスをベンチに変身させる

簡単なDIYで家具に新しい用途を与えることもできます。時代タンスは、同じサイズにカットした合板を乗せて、さらにスポンジを敷き、マリメッコの生地をかぶせて、裏板にタッカーを打ってお手軽ベンチに仕上げました。

タッカーは100均で購入し、スポンジは処分するマットレスから切り出しました。マリメッコの生地はやや値が張りますが、ほかの生地を使えばもっと安く仕上げることもできると思います。ちょっと手を加えるだけで、ただのタンスがタンス+椅子に生まれ変わりました。

丸椅子に壁紙を貼ってかわいくカスタム

手軽にできるDIYとしては、丸椅子のカスタムを行っています。丸椅子に輸入壁紙を切り抜いて、木工用ボンドで貼り付けるだけで、世界にひとつの椅子が完成します。

大好きな柄なので、目に入るたびに嬉しくなりますね。ほんの少しセルフリノベーションするだけで、生活の満足度はぐぐっと上がります。

まとめ:セルフリノベはできることから楽しむ

最近はセルフリノベーションを楽しむ人が増え、100均などでもリメイクシートやDIYの材料などが販売されています。最初はお金をかけずに、修復可能な小さなセルフリノベーションからはじめるのがセルフリノベーションを楽しむコツです。

そこから、バラバラな色調の家具をペンキで塗り替えて、インテリアに統一感を出したり、クローゼットに棚板をつけて収納量を増やしたりと難易度レベルを上げていきましょう。

また、カラーボックスに棚板を渡してオリジナル収納を作成する、DIYキットを買って家具を造作するなど、既製品を利用すると簡単に完成度も実用性も高いセルフリノベーションが可能なので、ゼロから作るだけでなく、何かに手を加えて作るというのもおすすめです。

自分の家、自分の部屋を、自分で手を加えてカスタムしていく。整理収納計画をきちんと考えたセルフリノベーションの先には、理想の暮らしが待っているかもしれません。

プロフィール

ていない
ゆるミニマリストで、整理収納アドバイザーで音楽オタクのアラフォー主婦。「お金をかけなくても、ちょっとした工夫や心がけで、毎日ごきげんに暮らせる」をモットーに、ライフスタイル、インテリア、音楽、グルメなど幅広いジャンルの記事をブログで紹介しています。
 
ブログ:「ゆるミニマリストのライフスタイル雑記ブログていない」
Twitter:ていない@ごきげんミニマリストブロガー

築37年の中古住宅をリノベーション。10年たっても雨漏りを無料で修理できた理由とは

暮らしのジャーナリスト・ファイナンシャルプランナーの高橋洋子です。2010年に築37年の印刷会社兼住居を購入して、リノベーションしました。それから早くも10年が経ち、昨年は雨漏りする事態が発生したのですが、リフォーム会社のアフターサービスのお金をかけずに、修理することができ、いまも快適に暮らしています。今回は私の経験をもとにリフォーム・リノベーションに役立つお話をご紹介します。

中古住宅をリノベーションすれば、新築する7割の費用で理想の家をゲット!

国土交通省の調査によると、新築の注文住宅の平均金額は4334万円。中古一戸建ては2857万円。リフォーム費用の平均は231万円。中古一戸建てを購入して、リフォームするほうが新築を買う7割の費用に抑えることができます。建て替えする場合では、建て替え費用の平均は3128万円と費用がかかるのがネックになります。リフォームやリノベーションで使い続けることができないか、ぜひ前向きに検討したいものです。

築37年の印刷会社兼住居をリノベーションした住まい。耐震補強を施し、最新の住宅設備を導入し、快適に暮らしている。

<参考データ>
新築注文住宅 全国平均       4334万円
中古一戸建て 全国平均       2857万円 リフォーム平均231万円
建て替え   全国平均      3128万円
(平成29年度 住宅市場動向調査 国交省)

屋根が吹き飛び、雨漏りでカビだらけの廃屋を新築同然にリノベーション

改めてリフォームとリノベーションの違いについて解説すると、リフォームとは英語で「REFORM」と書くように、形を元通りに直す工事を指します。水回りが壊れて使えなくなっていたら、新しいものに取りかえる、修理をする。このような工事がリフォームです。

一方、「リノベーション」とは、英語に訳すと「刷新」「革新」との意味で、元の状態から大幅に形を変える大規模改修工事を指します。たとえば、日当たりの悪い1階のキッチンを2階に移し、3LDKを1LDKの間取りに変更して、リビングを広くすることもできます。

私は初めてのマイホームに中古住宅を買って、リノベーションして暮らしています。購入したのは1年半空き家になっていた廃屋。屋根は抜けおち、床は雨水で水浸しになっていました。リノベーションでは、地震に強い家になるように耐震補強を行い、最新の住宅設備を導入して、理想の住まいに一新しました。

リノベーションする前の外観。立地が気に入って購入を決めた。

わが家のリノベーションは“パッケージプラン”。費用は追加料金の有無を要チェック

リフォームの場合は部分工事で安くすみますが、間取りを変更するような大規模工事ができません。リノベーションは間取りを大幅に変更できる一方、その分、お金がかかります。さらにリノベーションで注意したいことは、壊してみて、工事をしてみて、初めてわかることがあるということです。

わが家を例に挙げると、浴室周りが予想以上に木の腐食が進んでいて、当初の予定以上に工事の手間がかかりました。ここでポイントになるのが料金設定です。

わが家がリノベーションを依頼した会社の料金設定は、坪数×工事費のパッケージプランでした。これは、その坪数内であれば、どれだけ作業が追加で発生しても、追加料金を課さないというもの。そのため、浴室周りの工事も見積もりどおりの費用で済みました。

私が取材した中で、「600万円の見積もりが、追加工事の料金が加算されて900万円請求された」というケースもあります。事追加工事料金も含んだ見積もりなのか、それとも、追加工事が必要なら、その分、請求される設定なのか、事前によく確認することが大切です。

屋根が吹き飛び、室内は雨漏りをして、水浸し。カビが生えている部分もあった。こんな状態も、新築同然に生まれ変わる。

リフォーム会社のアフターサービスも要チェック!24時間365日電話対応可の会社もあり

続いてチェックしたいポイントは、リフォーム会社のアフターサービスです。私がリノベーションを依頼した会社は、24時間365日電話がつながるお客様センターがありました。昨今では、予期せぬ自然災害で、雨漏りをしたり、窓ガラスが割れたり、家が被害にあうケースが増えています。リフォームの不具合はもちろん、自然災害にあったときにも、電話1つで、家の修理の相談ができるのは心強いですね。また、リフォームの場合、保証はどうなっているのかも、忘れずにチェックしたいポイントです。

わが家が依頼した会社のアフターサービスでは、1ケ月後、3ケ月後、12ケ月後に、定期点検がありました。その際に、不具合があれば対応してもらえるのです。住んで半年後に、東日本大震災がありました。耐震補強をしていたので家は無事でしたが、壁紙がよれた部分があったので、補修をしてもらいました。

また、長期の修理サービスもあるので、昨年の雨漏りも費用負担なしで修理をしてもらえました。雨漏りは、どこから雨が漏れているのかがわからず、天井に点検口をあけて雨漏り箇所を探しました。かなり手間がかかり、リノベーションした会社のアフターサービスがなければ、いくらかかっていたか、わかりません。

こうした経験から、リノベーションの工事だけでなく、その後に何か不具合があったときのことも考えて、リフォーム会社を選ぶべきだと再認識しました。

複数の会社から見積もりを取って、じっくりと比較検討

リフォーム会社を選ぶにあたって、自分がやろうと思っているリフォームに、いったいいくらかかるのか、どんな会社に依頼するといいのかを検討するには、まず見積もりを取ってみることです。気になる会社が見つかったら、どんな実績があるのか、施工実績を調べてみることです。たとえば、戸建のリノベーションをしようと思っているのならば、戸建の実績が多いところに依頼したほうが安心です。戸建の場合、マンションと違って、耐震補強も含めてリノベーションすべきあり、そのような経験があるところに依頼すべきだからです。

実際にリフォームや、リノベーションをしようと決めたのなら、第三者の意見をなるべくたくさん聞くことです。違う人が見れば費用の面では削れるところがいろいろあります。じっくり時間をかけて満足できる家にしてください。リフォームやリノベーションでご家族が喜ぶ住まいに生まれ変わるのには、言葉では言い尽くせないほどの感動があります。ぜひこの感動をみなさんも味わってみてください。

プロフィール

高橋 洋子
暮らしのジャーナリスト、ファイナンシャルプランナー。
情報誌などの編集を経て、築37年、価値0円と査定された空き家をリノベーションし、安く理想の住まいを手に入れた経験から、お得で快適な暮らしの研究に目覚める。
住宅、暮らし、マネー関連の執筆・講演活動を行い、フジテレビ『報道2001』『ノンストップ!』などの報道番組に出演。
著書は『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)『3万円からの民泊投資術』(WAVE出版)『最新保険業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム)。
ホームページ:https://yo-coo.wixsite.com/home